医院のブログ

矯正治療中のトラブル・対処法

2023.01.22

矯正中は歯がグラグラする…?


矯正治療を始めると「歯がグラグラする」と不安に感じる人もいます。

今回は、矯正治療中の動揺の仕組みについて紹介します。

歯は歯肉にくっついているわけではありません。歯の根の周りには「歯根膜」という薄い膜があり、歯根膜にはたくさんの線維が走っていて、この線維に包まれた状態で骨の中に並んでいます。指で押すと、少し歯が動くと思いますが、これは歯根膜があることでおこります。これを「生理的動揺」といいます。

矯正治療は、歯に一方向から力を加えることで、歯を動かして歯列を整えていきます。そのため、力がかかる側の歯根膜は圧がかかって薄くなり、力がかからない側はひっぱられることで厚くなります。すると、力がかかる側は「破骨細胞」が活発になり、骨を少しずつ溶かしていきます。力がかからない側では「骨芽細胞」が活発になり骨を作っていきます。これを繰り返すことによって歯を動かし、歯列を整えていきます。

この過程で起こるのが、歯がグラグラする「動揺」です。

ですが、矯正治療が終わり、一定の期間が経つと「生理的動揺」に戻るので心配はいりません。治療が終わった後の保定期間は、後戻りを防ぐための保定装置を装着することがとても大切です。

マウスピース矯正の場合…

マウスピース矯正は、ワイヤーで常に歯を支えられているワイヤー矯正と違い、マウスピースを装着することで歯を支えているので、食事の時やブラッシング時にマウスピースを外すと歯の動揺を感じやすいです。

支えがない状態が長ければ歯は元に戻ろうとするので、決まった装着時間を守ることがとても大切です。

※歯の動揺には「歯周病」「咬合性外傷」…等、矯正力でないものもあるので、心配な場合はお気軽にご相談ください。