開咬とは
噛み合わせた時、上下の奥歯は当たっているのに前歯が当たらずに開いている状態をいいます。開咬には、顎の骨の形に問題があり、成長とともに顕著になっていく骨格性(遺伝性)の開咬と、指しゃぶりといった悪習癖などのお口の回りの環境による(後天的な)開咬があります。後天的な開咬の原因には、指しゃぶりや舌などの悪習癖、鼻炎やアデノイド・扁桃腺の肥大など成長期の呼吸器系の疾患による口呼吸などが挙げられます。開咬は見た目だけでなく、次のような問題を引き起こします。
開咬による弊害
- 咀嚼の問題:前歯で食べ物を噛み切るのが不自由だと、しっかり噛まずに飲み込むため胃腸に負担がかかる。
- 発音の問題:上下の前歯の間があいているため息が漏れて、特にサ行・ザ行などが不明瞭な発音になりやすい。
- ドライマウス:唇を閉じにくく開きがちなため、口の中が乾燥した状態(ドライマウス)になりやすく、虫歯や歯周病になりやすく、口臭のトラブルも発生しやすい。
- 顎関節症:奥歯でしか噛めないため顎の関節や筋肉も疲労しやすく、顎関節症になる確率が高くなる。また、奥歯に負担がかかるため、奥歯の詰め物・被せ物が壊れたり、奥歯が破折することもある。