矯正治療について

見えない舌側矯正(リンガルブラケット矯正法)

歯の裏側に矯正装置を装着

通常の矯正では矯正装置を歯の表面に装着するのに対し、裏側からの矯正はその名の通り歯の裏側から矯正装置を装着する治療法です。

舌側矯正・リンガルブラケット矯正法などと呼ばれ、この治療を選択することにより日常生活でも矯正装置が見えないという審美的な点が大きなメリットがあります。職業柄表側の矯正ができない方や、歯並びをきれいにしたいけれど目立つのが嫌だという方にお勧めです。

見えない舌側矯正のメリット

メリット01周囲の視線を気にすることなく治療ができます。

矯正装置を他人に見られたくないとか、矯正治療していることを他人に気付かれたくない他人、職業柄、矯正装置が見えることに支障がある方の場合、有効です。

メリット02舌癖の防止になり、治療後、歯の後戻りの可能性が軽減します。

舌で前歯の裏側を押す癖のある人には、矯正装置自体が舌癖防止の役割を果たすことになり、矯正治療後の後戻りのリスクが軽減されると言われます。

メリット03矯正治療中にむし歯のトラブルが起きにくいです。

歯の裏側は舌が動いたり唾液が流れやすいので唾液の自浄作用によって一般的には虫歯になりにくいと言われます。だからといって、歯磨きを怠けると虫歯になる可能性が高まりますし歯ぐきもはれますから、歯磨きはしっかり行うことが大切です。

見えない舌側矯正のデメリット

デメリット01矯正装置を舌側に装着するため、発音がしづらいことや舌の違和感を感じることがあります。

歯の裏側に舌をあてて発音する「さ行」や「た行」など言葉は、装置が邪魔して発音しにくくなることがあります。ただ個人差はありますが、装置を装着してから1~2か月ぐらいで慣れてきて、普段通りの発音ができるようになってきます。

また、舌側矯正では舌が装置に当たるため、違和感や人によっては舌に装置のあとがついたり痛みを感じたりすることがあります。これも個人差はありますが装置をつけてから1~2週間くらいで慣れてくるようです。
新しい装置が開発され、装置そのものが小さくなったり薄くなってきていますので、以前のものより違和感は小さくなっています。

デメリット02表側矯正より治療費が高額になります。

歯の表側は比較的平らで直接目で見て確認できるのに対して、歯の裏側の形状は人によってまちまちで、視野も狭く直視できません。そのため舌側矯正では装置を装着する前準備が必要不可欠になります。

患者さんごとにオーダーメイドの矯正装置を準備するステップがあったり、ワイヤーの調節も表側に比べて手間がかかります。装置の費用、技術料ともに表側矯正より高くなるため、治療費も高くなります。

デメリット03食事がしづらかったり歯磨きしにくいことがあります。

歯の裏側に装置がついているので慣れるまでは食事しづらいことがあります。
また、普通でも裏側は歯磨きしにくい上に装置がついて複雑な構造になっていますので、磨き残しのないようしっかりと歯磨きする必要があります。

見えない舌側矯正をする前に知っておきたい基礎知識

01舌側矯正を受診できる歯科医院(クリニック)

舌側矯正は矯正治療の中でも最も難易度が高い方法です。全国には、歯科医院が約7万軒あり、矯正専門歯科が約3千軒あると言われています。 しかし、舌側矯正を行っている歯科医院は、その難易度から“行っていない”のが現状です。矯正専門歯科でも行っていない医院が舌側矯正です。

02舌側矯正の“ブラケット”の種類

舌側矯正に使用する装置(ブラケット)には様々な種類があります。当院で、主に使用する装置(ブラケット)は、フルオーダーメイドのブラケットです。

  既製品 オーダーメイド
 
四角 歯の形に合わせる
(装置が脱落しにくく、違和感ができるだけ少なくなるように)
接着面積 狭い 広い(治療中に脱落しにくくするために)
厚さ 厚い 薄い(舌が触っても口の中で違和感が少なく、口腔内が狭くならならないため発音障害になりにくい )
表面 角がある 滑らか(患者さんごとに作られるクラウンのようにつるつるしている)

03舌側矯正の“手技”の種類

舌側矯正には2種類の手技があります。装置が見えない舌側矯正で治療をしたいけど…、費用が高くて…という方は、ハーフリンガル(コンビネーション)を選択することも可能です。

  フルリンガル ハーフリンガル
 
  上下とも裏側に装置を装着 上のみ裏側に装置を装着
費用 高い フルリンガルより安い

写真のように、笑ったとき“下の歯”は実はあまり目立ちません。

笑顔のとき、“上の歯”は見えますが、“下の歯”は下唇に隠れてしまうからです。“下の歯”だけ表側に装置をつけるハーフリンガルブラケット矯正法は当院でも人気の方法です。

オーダーメイド舌側矯正の流れ・ステップ

STEP1

初回相談

舌側矯正について院長谷本が説明します。

STEP2

精密検査

各種検査を行います。

STEP3

診断

治療計画を作り、患者さんにご説明します。

STEP4

精密な歯型を採ります

従来の矯正装置とは異なり、オーダーメイド舌側矯正では、精密な歯型を採ります。

STEP5

装置製作

精密な歯型をドイツの製作所へ送ると、その歯型をもとに石膏模型あるはコンピュータ3Dスキャン技術により専門の技工士により作られた治療後の予測模型を何度かやりとりした後に、治療目標に合った歯並びで装置作製のオーダーを出します。

STEP6

装置セット&治療スタート

5週間ほどした後、きれいな歯並びにした石膏模型あるはコンピュータ3Dスキャン画像をもとに正確に作製されたオーダーメイドのブラケット装置を歯に装着し、治療がスタートします。