医院のブログ

矯正治療について

2020.12.03

歯の形がギザギザしている?


「歯の形が変なのですが・・・」と相談されることがあります。
前歯の先端がギザギザしているとか、奥歯の真ん中にツノが生えているとか・・・

Q.前歯の先端がギザギザしているのはなぜ?

発育葉

A.①生え変わりによるもの

生えたての永久歯は先端がギザギザしています。

これを専門用語では「切縁結節(せつえんけっせつ)」といいます。

そもそもですが・・・歯は発育過程において先の部分から石灰化が始まります。その石灰化の始まり部分を「発育葉」といい、切歯(前歯)は近心葉・中心葉・遠心葉と舌側歯頸葉の4つの発育葉からなっており、臼歯(奥歯)は5つの発育葉を持つものもあります。

その結果、前歯の先端に切縁結節という三つのでっぱりができます。

生えてきたばかりの永久歯ではこの切縁結節がはっきりしていますが、これは正常な歯の形なので安心してください。

上下の前歯でしっかり噛めていれば咀嚼によって段々すり減って自然に平らになっていきます。

②歯並び・噛み合わせによるもの

出っ歯や受け口、開咬など上下の前歯がしっかり噛み合っていない場合は前歯を上手に使うことができないのでギザギザが残ってしまいますが気にならなければそのままでも問題はありません。しかし歯並び・噛み合わせは審美面だけでなく全身の健康にも関わるとても大切なことなので、気になることや不安なことがあればご相談ください。

出っ歯(上顎前突)
受け口(下顎前突)
開咬

③食生活・癖によるもの

最近は固いものや弾力のあるものを食べる機会が減っており、また食べやすいように細かく切って提供されることが多くなっています。そのため前歯で食べ物を噛みちぎることなく直接奥歯に食べ物を運び噛むようになり、前歯を使うことが出来ずギザギザが残る傾向があるようです。食材の調理法を工夫するなどして、前歯も奥歯もしっかり使う工夫することがおすすめです。

④酸蝕症によるもの

酸蝕症(さんしょくしょう)とは普段口にするものに含まれている酸によって歯が溶かされてしまう病気です。この酸蝕症が原因で歯が薄くなったりもろくなることで歯が欠け前歯がギザギザになってしまうことがあります。酸蝕症が原因の場合はそのままにしておくとどんどん悪化するので早めの対処が必要です。

酸蝕症

Q.歯にあるツノのような突起はなに?

中心結節

A.中心結節(ちゅうしんけっせつ)という歯の形態異常です。

小臼歯の噛む面や前歯の裏側に出現するツノのような突起を「中心結節」といいます。好発部位は下あごの第二小臼歯(出現率1〜4%)です。

この突起は大人になるにつれてすり減ってなくなることが多いですが、生えて間がないうちに咀嚼などによって折れてしまうことがあります。この突起にも神経は通っているので急に折れてしまうと神経が出て歯がしみる・痛むなどの症状がでる可能性があるので歯医者さんで治療しておくと安心です。治療方法は突起が折れないように補強する方法と少しずつ削る方法があります。