矯正装置が外れた後に「リテーナー(保定装置)」をつけるようにいわれます。
「せっかく装置が外れたのに、まだ終わらないの?」
「リテーナーはいつまで使うの?」
と思われたことはありませんか?
今回はリテーナーについてご紹介します。
1.リテーナーとは
矯正装置を外した直後は歯の周りの骨(歯槽骨)が安定してないため動きやすく、歯は元の位置に戻ろうとします。移動した歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぎ、安定させるために装着する装置です。
2.種類
当院で使用しているリテーナーには3種類あります。
1)プレートタイプ
取り外しができる装置で、歯の表面をワイヤーで抑え、歯の裏側をプラスチックのプレート(床)で歯列を抑えます。見た目には前歯の表面のワイヤーのみ見えます。
○ 清掃性がよい
× 審美性に難あり
× 違和感あり(だんだんと慣れてきます)
2)マウスピースタイプ
取り外しが出来る装置で、透明なプラスチックで歯列全体を覆います。
見た目には透明で目立たないので審美的にも優れています。
○ 清掃性がよい
○ 審美性がよい
× 違和感あり(だんだんと慣れてきます)
3)ワイヤー固定タイプ
取り外しが出来ない装置で、後戻りしやすい前歯の裏側に接着剤でワイヤーを固定します。
ただし、ワイヤーの周りに汚れが溜まりやすく虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。定期的なクリーニングが必要です。
○ 審美性がよい
○ 違和感が少ない(装着後すぐは多少の違和感はあります)
× 清掃性に難あり(定期的にクリーニングが必要)
3.装着時間
取り外しタイプのリテーナーは、食事のときと歯磨きをするとき以外(1日20時間以上)装着しましょう。
装着するのを忘れると後戻りを起こしリテーナーが合わなくなってしまうので気を付けましょう。
歯の位置が安定してきたら、少しずつ装着時間を減らしていきます。
4.保定期間
矯正期間と同じくらい(約2〜3年)の保定期間が必要とされます。
後戻りのしやすさは、歯並びや口周囲の筋肉・舌癖などの影響を受けやすく個人差があります。そのため、自己判断で保定装置の使用をやめてしまうのではなく、定期的に受診し主治医の判断を受けましょう。
「やっと矯正装置が外れた」と開放的な気持ちになるかもしれませんが、保定期間の過ごし方によって今後の歯並びの善し悪しが決まります。
せっかく整った歯ならびを維持するためにも、しっかりとリテーナーを装着しましょう!