「歯並びが少し気になるけれど、矯正したほうがいいのかな?」
「前歯が少しガタガタしているけれど、この程度で矯正歯科に相談してもいい?」
「見た目はそれほど気にならないけれど、噛み合わせに問題がないか心配……」
歯並びについて、このような疑問をお持ちの方は少なくありません。
結論からいうと、歯並びが気になるからといって、必ず矯正治療が必要になるわけではありません。
一方で、見た目にはそれほど問題がないように見えても、噛み合わせや歯磨きのしやすさなどの面から、矯正治療を検討したほうがよい場合もあります。
この記事では、矯正歯科医が歯並びを診察するときに、どのようなポイントを確認しているのかを分かりやすく解説します。
「自分の歯並びは矯正したほうがいいのかな?」と気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
歯並びが悪いと矯正したほうがいい?
まず知っておいていただきたいのは、「歯並びが悪い=必ず矯正治療が必要」というわけではないということです。
矯正歯科では、単に歯がきれいに並んでいるかどうかだけを見るわけではありません。
例えば、
- 上下の歯がきちんと噛み合っているか
- 歯磨きがしにくい場所がないか
- 前歯や奥歯に過度な負担がかかっていないか
- 顎の位置や成長に問題がないか
- 舌や唇などの癖が歯並びに影響していないか
といったことも確認します。 そのため、歯並びについて「少し気になる」という段階でも、一度矯正歯科でチェックしてもらうことには意味があります。
矯正したほうがいいか判断する7つのチェックポイント
1.歯がガタガタ・デコボコしている
前歯などが重なって生えている状態を「叢生(そうせい)」といいます。
一般的には「ガチャ歯」「歯がデコボコしている」と表現されることもあります。
歯が重なっていると、歯ブラシが届きにくい部分ができ、歯磨きが難しくなることがあります。
ただし、歯のデコボコがあるからといって、すべてのケースで矯正治療が必要になるわけではありません。
歯がどの程度重なっているのか、噛み合わせに問題があるのかなどを確認したうえで、治療の必要性を考えます。

2.前歯が前に出ている・出っ歯が気になる
上の前歯が前方に出ている、いわゆる「出っ歯」も、矯正相談でよくあるお悩みです。
出っ歯には、前歯の傾きが関係している場合だけでなく、上下の顎の位置関係が関係している場合もあります。
また、
- 口が閉じにくい
- 口元が前に出て見える
- 前歯で食べ物を噛みにくい
など、見た目以外の悩みにつながることもあります。 そのため、「出っ歯だから矯正する」という単純な判断ではなく、歯や顎の状態を確認することが大切です。

3.受け口・反対咬合になっている
下の前歯が上の前歯より前に出ている状態は、「反対咬合」や「受け口」と呼ばれます。
特にお子さんの場合、歯の位置だけではなく、顎の成長が関係していることがあります。
成長期は、年齢や成長の状態によって考えられる治療方法が変わることがあります。
「もう少し大きくなってから」と自己判断せず、気になる場合は早めに矯正歯科で相談しておくとよいでしょう。

4.歯と歯の間にすき間がある
歯と歯の間にすき間がある状態を「空隙歯列」と呼びます。
特に前歯のすき間を気にされる方は多いですが、その原因はさまざまです。
例えば、
- 歯の大きさ
- 歯の本数
- 顎の大きさ
- 舌の癖
- 上唇の裏側にある上唇小帯
- 歯が生えている位置
などが関係することがあります。
そのため、すき間を単純に閉じればよいとは限りません。

5.前歯が噛み合わない
奥歯を噛み合わせても、前歯に隙間ができる場合があります。
これは「開咬(かいこう)」と呼ばれる状態です。
前歯で食べ物を噛み切りにくい、発音しにくいなどの問題につながる場合があります。
また、舌を前に出す癖などが関係しているケースもあります。 歯並びだけでなく、日常的な舌や口の使い方についても確認することが大切です。

6.噛み合わせが深い
上の前歯が下の前歯を大きく覆っている状態を「過蓋咬合(かがいこうごう)」といいます。
歯並びそのものはきれいに見えても、噛み合わせを詳しく確認すると、治療を検討したほうがよい場合があります。
例えば、下の前歯が上の前歯の裏側の歯ぐきに当たっている場合などは注意が必要です。

7.八重歯・歯が重なって生えている
八重歯も、矯正治療を検討するきっかけの一つです。
八重歯そのものが必ずしも問題というわけではありませんが、歯が重なっていることで歯磨きが難しくなっている場合があります。
また、歯がどの位置に生えているのか、どの程度スペースが不足しているのかによって、治療方法も変わります。 「八重歯だけを動かせばいい」とは限らないため、全体の歯並びと噛み合わせを確認する必要があります。

見た目が気にならなくても矯正したほうがいい場合はある?
「歯並びはそれほど気にならないから、矯正は必要ないと思う」
という方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、見た目の感じ方には個人差がありますし、すべての歯並びを矯正しなければならないわけではありません。
一方で、見た目以外にも、
- 歯磨きがしにくい
- 特定の歯に負担がかかっている
- 食べ物を噛みにくい
- 前歯がうまく使えない
- 口を閉じにくい
などの問題がある場合があります。
そのため、矯正治療をするかどうかを考えるときは、「見た目」だけでなく「歯の機能」も含めて考えることが大切です。
矯正治療が必要かどうかは、自己判断しなくても大丈夫
ここまで「矯正したほうがいいかもしれない歯並び」の例をご紹介しました。
ただし、写真や見た目だけで、矯正治療が必要かどうかを正確に判断することはできません。
同じように前歯がガタガタして見えても、原因や噛み合わせは人によって異なります。 矯正歯科では、必要に応じて歯並びだけでなく、噛み合わせや歯・顎の状態などを確認し、現在の状態を総合的に判断します。
「この程度で矯正相談していい?」と思ったら
矯正相談では、
「自分の歯並びは矯正したほうがいいの?」
という疑問を解消することも大切です。
必ずしも、その場で治療を始める必要はありません。
まずは現在の歯並びや噛み合わせについて知り、
- 矯正治療が必要なのか
- すぐに治療したほうがいいのか
- しばらく様子を見てもよいのか
- 治療する場合、どのような方法が考えられるのか
を確認してみましょう。
「前歯が少し気になるだけ」「八重歯が気になる」「子どもの歯並びが心配」など、どのようなきっかけでも構いません。
「この歯並び、矯正したほうがいいのかな?」と思ったときが、歯並びについて知るきっかけです。
気になることがあれば、お気軽に矯正歯科へご相談ください。
矯正相談したら矯正治療を始めなければならないということはありません。